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クラウドセキュリティ完全ガイド|構成ミスからランタイム脅威まで「Code to Runtime」で守るには

Reiko Nishii
クラウドセキュリティ完全ガイド|構成ミスからランタイム脅威まで「Code to Runtime」で守るには
執筆者
Reiko Nishii
クラウドセキュリティ完全ガイド|構成ミスからランタイム脅威まで「Code to Runtime」で守るには
Published:
July 3, 2026
この記事の内容
シスディグによるファルコフィード

Falco Feedsは、オープンソースに焦点を当てた企業に、新しい脅威が発見されると継続的に更新される専門家が作成したルールにアクセスできるようにすることで、Falcoの力を拡大します。

さらに詳しく
Green background with a circular icon on the left and three bullet points listing: Automatically detect threats, Eliminate rule maintenance, Stay compliant, with three black and white cursor arrows pointing at the text.

この記事は、クラウド移行を推進するインフラエンジニア、クラウドセキュリティの全体設計を担うセキュリティ責任者(CISO)、そしてDevSecOpsの実践に取り組むSREの方に向けた総合ガイドです。クラウドセキュリティを「Code to Runtime(コードから実行環境まで)」というライフサイクルの視点で整理し、全体像をつかめるようにまとめました。クラウドを守る取り組みを「プラン・設計 → シフトレフト →ランタイム検知 → インシデント対応・運用 → AI時代の防御」という5つのフェーズに分け、それぞれの段階で何をすべきかを順を追って解説します。

クラウド移行が進む今、環境の変化スピードに人手のセキュリティ管理は追いつきません。構成ミスや過剰権限、サプライチェーン攻撃など、クラウド特有の脅威は「検知してから初めて考える対応」では遅すぎます。設計・予防・検知・対応をあらかじめ一体化しておく必要があります。本記事では、クラウドセキュリティの代表的なリスクと、それを防ぐためのアプローチを、Sysdigの「Code to Runtime」戦略を軸に解説します。CSPM・CIEM・CDRを段階的に活用し、クラウド全体をリアルタイムに守る実践的な方法について理解を深めましょう。

前提知識として「クラウドセキュリティとは何か」「ランタイムセキュリティとは何か」といった記事を併せてご覧ください。本記事では、これらをふまえてライフサイクル全体を俯瞰することに重点を置きます。

クラウド環境を狙う代表的な脅威

構成ミス

クラウド環境におけるセキュリティ事故の最大の要因は、構成ミスです。 アクセス制御やネットワーク設定、ストレージの公開範囲を誤ると、意図せずデータが外部に露出します。特にS3バケットの公開やセキュリティグループの過剰許可は典型例です。 クラウドは頻繁に変更されるため、一度の設定確認では不十分です。CSPM(Cloud Security Posture Management)を活用して構成変更や逸脱を自動検出・修正し、常に適切なセキュリティ状態を維持することが求められます。構成ミスをそもそも作り込まないための設計・計画段階の考え方は、「プラン・設計」で詳しく解説します。

認証情報の漏洩

APIキーやアクセストークンの誤公開は、クラウド侵害の出発点となります。 開発者がGitHubリポジトリやCI/CD環境に認証情報を残すと、攻撃者にアカウントを乗っ取られるリスクがあります。漏洩後は数分で被害が拡大し、暗号通貨マイニングや権限昇格に悪用されるケースもあります。 シークレット管理ツールの利用、アクセスキーの定期更新、多要素認証(MFA)の導入に加え、Sysdig Secureによるランタイム監視で不審なAPI呼び出しを検知し、被害を最小化することが有効です。

サプライチェーン攻撃

サプライチェーン攻撃は、開発・ビルド・デプロイの過程で悪意あるコードが混入し、クラウド上に侵入する手法です。依存パッケージやCI/CDパイプラインの脆弱性を突かれると、正規のコンポーネントを介して攻撃が拡散します。 防御には、ソフトウェア署名の検証、依存関係の最小化、脆弱性スキャンが不可欠です。さらに、CDR(Cloud Detection and Response)によるランタイム検知を導入し、実行中のコンテナやプロセスの異常をリアルタイムで監視することが重要です。開発・ビルド段階で脆弱性を絶つ「シフトレフト」の実践、実行中の異常検知は「ランタイム検知」で、それぞれ詳しく解説します。

コンテナ/Kubernetes特有の脆弱性

コンテナやKubernetes環境では、アプリケーション層と基盤層の両方に特有のリスクがあります。古いイメージの利用、root権限の乱用、APIサーバーの公開設定ミスなどがその一例です。 これらの脆弱性は、コンテナ間の横展開やホスト侵入につながります。Falcoのようなランタイム検知エンジンを活用し、不正なシステムコールや異常操作を即座に検知し、ポリシーに基づく封じ込めや対応につなげることで、被害拡大を抑制できます。

クラウドにおける脅威の特定方法

クラウド環境の安全性を確保するには、資産・権限・設定・挙動の4つの観点から継続的に監視することが欠かせません。 クラウドは日々変化し、コンテナやワークロードは数分単位で生成・消滅します。静的な設定チェックだけでは追いつかず、リアルタイムに「見える化」し続けることが現代の基本戦略です。

クラウド資産の可視化

クラウド構成は常に変化し、コンテナやワークロードは数分単位で生成・消滅します。手動での把握には限界があり、「どこに何があるか」を継続的に捉えることが出発点です。CSPMを導入すれば、リソースを自動スキャンしてクラウド全体の資産を可視化できます。資産の可視化を続けることで、管理外のリソースや見落としをなくします。

権限・IDリスクの管理

クラウド利用が進むほど、アカウントや権限が増加し、過剰権限や放置されたIDが侵入経路になります。IAM(Identity and Access Management)によるアクセス制御と自動監査に加え、CIEM(Cloud Infrastructure Entitlement Management)ですべてのID権限を可視化し、不要な権限を検出・削除して最小権限の原則(Least Privilege)を徹底します。権限管理は「守る設計」ではなく、「守り続ける運用」です。

構成ミスの検出

設定漏れや誤りは侵入の起点になり得ます。アクセス制御やネットワーク、ストレージの公開範囲などの構成は、変更のたびに逸脱が生じます。CSPMで脆弱な構成を自動的に特定し、修正につなげることで、クラウド全体のセキュリティポスチャを健全に保ちます。

ランタイム挙動の監視

クラウド攻撃は数分で進行します。設定変更や侵入を後から検知するのでは遅すぎます。ランタイム監視を導入し、不審なAPI呼び出しや異常な構成変更を瞬時に検出し、ポリシーに基づく対応につなげます。Sysdig Secureは、CSPMによる構成管理、CIEMによる権限リスクの可視化、CDRによるランタイム検知を組み合わせ、「CodeからRuntimeまで」の可視化を実現します。 「見えないものは守れない」──その原則を具現化するプラットフォームです。ランタイムで「本当に危険なアラートだけ」を絞り込み、ノイズを最大98%削減する仕組み(Runtime Insights)については、「ランタイム検知」で詳しく解説します。

クラウドセキュリティ対策の4ステップ 

クラウド基盤のサービス拡大とともに、企業が直面する課題は複雑化しています。 すべてのリスクを一度に解決するのは非現実的です。重要なのは、自社の現状を把握し、段階的に成熟度を高めることです。

ステップ 課題 ゴール 主な手法・ツール
1 可視化不足 資産と権限の全体像を把握する 資産の棚卸し、CSPMによる構成の可視化、CIEMによる権限の可視化
2 構成管理の自動化 IaCで安全性と効率を両立する IaC(Infrastructure as Code)セキュリティによる脆弱な構成の自動検出・修正支援
3 継続的監視と検知 実行時の脅威をリアルタイムに把握する Sysdig Secureによるコンテナ・ワークロードの挙動の可視化と即時検知
4 統合ガバナンス DevSecOpsで「Code to Runtime」を一元管理する Sysdig CNAPPによる、コードから実行環境までの統合的な可視化と防御運用

※これらのステップは、必ずしも一方向に進めなければならないものではありません。本番環境のインシデントリスクを、すぐ下げるために、ステップ1(可視化)と並行して、ステップ3(ランタイム検知)を最優先で導入するケースも多く見られます。

クラウド全体の構成やアクセス権限が見えていない段階(ステップ1)では、まず資産の棚卸しを行い、CSPMで構成を可視化し、CIEMで権限リスクを把握します。構成の健全性が見えたら、次は自動化(ステップ2)です。監視中心の運用から「自動制御」へ転換します。構成が整っても攻撃は実行中(ランタイム)に発生するため、挙動をリアルタイムに監視する継続的な検知(ステップ3)へ進みます。最終段階(ステップ4)では、開発・運用・セキュリティを統合するDevSecOps体制を確立し、Sysdig CNAPPを中核にコードからランタイムまでを一元的に守ります。

Sysdigによる「Code to Runtime」戦略

― 開発から実行までを一気通貫で守る ―

クラウドネイティブ環境では、脆弱性や設定ミスは「コードを書く瞬間」から「実行される瞬間」まで、あらゆる段階で発生します。 Sysdig CNAPPは、この全ライフサイクルを通じて継続的に防御する「Code to Runtime」戦略を実現します。

  • Code:IaCテンプレートをスキャンし、構成ミスや過剰権限を検出(Shift Leftセキュリティ)
  • Build:コンテナイメージをスキャンし、脆弱性を修正
  • Deploy:ポリシーに基づき安全なデプロイを保証
  • Runtime:不審な挙動をリアルタイムに監視し、ポリシーに基づき封じ込め・対応

さらに、AIアナリスト機能Sysdig Sage™がアラートを自動分析し、原因特定から対応策提示までを支援し、対応時間を最大76%短縮します。このライフサイクル(Code→Build→Deploy→Runtime)をベースに、設計・運用・AI時代の防御まで含めて整理したものが、これ以降で紹介する5つのフェーズです。

「Code to Runtime」を5つのフェーズで読み解く

ここからは、クラウドのライフサイクルを5つのフェーズに分けて紹介します。各フェーズには、テーマの全体像を解説する記事と、さらに深掘りする関連記事を用意しています。自社の課題や現在の取り組み状況に応じて、必要なところから読み進めてください。

1.プラン・設計(Plan / Code)

攻撃者の視点に立ち、設計・計画の段階からクラウドの弱点(露出)を減らすフェーズです。露出評価(Exposure Management)、CNAPPの選び方、CSPM、IaC/PaC、ゼロトラストや責任共有モデルなど、「作り込む前に守る」ための設計の考え方を整理します。

まず、CTEMとは何か|攻撃者視点でクラウドの弱点を可視化する新しいセキュリティ戦略で、攻撃者の視点でクラウドの弱点(露出)を洗い出す考え方を確認します。また、自社に合うツールの選定基準を知りたい方はコンテナセキュリティツールの選び方|CNAPP・CWPP・CSPM・CDRの違いと選定基準をご確認ください。さらに、CSPMとは?クラウド構成ミスを未然に防ぐSecurity Posture Managementの全体像IaCセキュリティとPolicy as Codeとは?責任共有モデルからゼロトラスト実装へについても、作り込む前に守るための具体策として併せてご確認ください。

2.シフトレフト(Build / Test)

開発・ビルドの段階で脆弱性を取り除くフェーズです。CI/CDへのセキュリティ統合、イメージスキャン、SBOM、サプライチェーン対策など、「実行する前に問題をつぶす」考え方と具体的な対策を解説します。

まず、シフトレフト(Shift Left)とは?コンテナセキュリティをCI/CDに組み込む実践ガイドで、開発・ビルドの段階でセキュリティを組み込む基本を確認します。さらに、SBOMとは?SolarWinds以降のサプライチェーン攻撃にどう備えるかコンテナイメージスキャンとは?数千件の脆弱性を「直すべき数件」に絞る実践ガイドについても、サプライチェーン対策とイメージ層の脆弱性管理の実装として併せてご確認ください。

3.ランタイム検知(Run)

実行中の脅威をリアルタイムに検知し、封じ込め・対応につなげるフェーズです。ランタイム検知によってノイズを最大98%削減する仕組み(Runtime Insights)も、このフェーズで詳しく解説します。Falcoによる検知の仕組み、CDR、CWPP、FalcoとSysdig Secureの比較などを扱います。

まず、コンテナランタイムセキュリティとは?Falcoによるリアルタイム検知の仕組みで、実行中の脅威をリアルタイムに検知する仕組みを確認します。さらに、「CDR(Cloud Detection and Response)とは」や「CWPP(Cloud Workload Protection Platform)とは」についても、ランタイム防御の選択肢として併せてご確認ください。

4.インシデント対応・運用(Respond)

脅威を検知したあと、いかに速く・確実に対応し、運用に乗せるかが重要です。検知から72時間以内に対応するためのSLAの考え方も、このフェーズで取り上げます。DevSecOpsの運用設計、SREのアラート疲れ対策、オンコール削減などを扱います。

まず、DevSecOpsとコンテナセキュリティ|SREが知っておくべき運用設計の考え方で、検知後の対応を運用に乗せるための設計を確認します。さらに、SREのアラート疲れを終わらせる:Critical脆弱性50件から本当に直すべきリスクを特定する方法リアルタイム脅威検知、クラウド防御の基本を解説|SREがオンコールを減らす方法についても、アラート疲れやオンコール負荷を減らすアプローチをご確認ください。

5.AI時代の防御(AI / Agentic)

AI・エージェント時代に固有のリスクをどう守るかのフェーズです。AIエージェントを守るための4つの設計原則も、このフェーズで解説します。MCP時代のAIエージェント防御、LLM・GPU環境のコンテナセキュリティ、AIの民主化に伴う新たな脅威などを扱います。

まず、MCP時代のAIエージェントをどう守るか|設計・脅威モデル・実装指針で、AIエージェントを守るための設計・脅威モデル・実装指針を確認します。さらに、AIワークロードのコンテナセキュリティ|LLM・GPU環境を守る新しい視点AIの民主化がもたらす、クラウドインフラへの新たな脅威についても、AI時代に固有のリスクとして併せてご確認ください。

まとめ ― 「見える化」から始めるクラウドセキュリティ

クラウドセキュリティは、まず「見えないリスクを見える化すること」から始まります。 完璧な防御を一度で構築することはできませんが、「Code to Runtime」の5つのフェーズに沿って、成熟度に応じて段階的に強化できます。各フェーズの起点となる以下のガイドから、自社のフェーズに合ったテーマへ進んでください。

リアルタイムでクラウド全体を把握し、「CodeからRuntimeまで」を継続的に守る。 これこそが、Sysdigが提唱する「実践的クラウドセキュリティ」の本質です。本ガイドを起点に、自社のフェーズに合ったテーマへ進み、各記事を深掘りしてください。

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コンテナ、Kubernetes、ホストのセキュリティ
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