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CDR(Cloud Detection and Response)とは|クラウドを守るリアルタイム防御とSysdigのアプローチ

Reiko Nishii
CDR(Cloud Detection and Response)とは|クラウドを守るリアルタイム防御とSysdigのアプローチ
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Reiko Nishii
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CDR(Cloud Detection and Response)とは|クラウドを守るリアルタイム防御とSysdigのアプローチ
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シスディグによるファルコフィード

Falco Feedsは、オープンソースに焦点を当てた企業に、新しい脅威が発見されると継続的に更新される専門家が作成したルールにアクセスできるようにすることで、Falcoの力を拡大します。

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クラウド防御の主戦場は「ランタイム」へ

クラウド活用が進む一方で、攻撃の手口は巧妙化し続けています。構成ミスや過剰な権限設定、脆弱なAPI、そしてAIワークロードの悪用など、クラウド特有のリスクは年々増大。
従来の静的なセキュリティ対策では、攻撃のスピードに追いつけません。
そこで注目されているのが、リアルタイム実行中の脅威(ランタイム)を検知・封じ込める「CDR(Cloud Detection and Response)」です。

静的チェックでは防げないクラウド攻撃のリアル

CSPM(Cloud Security Posture Management)は、クラウド構成の安全性を監視・可視化する仕組みとして普及しています。 しかし、対応できるのは「設定時点」でのリスクまで。実際の攻撃は、コンテナやクラウドワークロードの実行中(ランタイム)に起こります。

ランサムウェアや内部不正の多くは、検知のタイミングではすでに被害が発生していることも少なくありません。 もはや「気づいてから対処する」ではなく、「攻撃を成立させない」ことが求められています。

Falco Rulesが支えるリアルタイム防御

Sysdigが提供するCDRの中核には、オープンソースのFalcoエンジンがあります。
Falco Rulesを用いて、権限昇格、不審なファイル操作、異常なネットワーク通信などをリアルタイムに検知。 Linuxカーネルレベルで動作するFalcoは、攻撃者の行動を瞬時に可視化し、侵害の成立そのものを阻止します。EDRやログ分析では検出できないクラウド固有の攻撃も、Falcoなら「その瞬間」に見抜くことが可能です。

コンテナ時代に求められる「深く見る」防御

クラウド移行とともに、多くのシステムがコンテナ化されています。
この変化により、従来の静的な構成監視だけでは不十分になりました。
CSPMなどの可視化ツールで「対策している感」は得られても、動的な挙動を監視できなければ真のリスクは見えません

Datadogなどのオブザーバビリティツールも有効ですが、セキュリティ専用の深度分析には限界があります。その点、SysdigやFalcoのような軽量ランタイム検知は、コスト効率が高く、現実的な選択肢です。 可視化の「幅」ではなく、実行時にまで踏み込む「深さ」が、これからのクラウド防御の決め手となります。

「人手で見る」運用の限界と自動化の必要性

Falcoは非常に強力な検知エンジンを備えていますが、数百〜数千ノード規模の環境では、人手で全アラートを確認するのは現実的ではありません。 エンジニアを増やしても、膨大な警告対応に追われるだけで、真に重要なインシデントを見落とすリスクが残ります。

Sysdig Secureでは、AIによる自動分析・優先度付け・誤検知削減を組み合わせることで、
アラートのノイズを最小化し、対応すべき脅威を明確化。 「見張る防御」から「判断できる防御」へ──これが、運用現場を持続可能にする現実解です。

コンテナからAIワークロードまで、一貫した保護を実現

CDRは、仮想マシンやKubernetesだけでなく、AI推論環境やクラウド関数など、あらゆるワークロードに対応します。 Sysdigは、これらを単一プラットフォーム上でリアルタイム監視・制御することで、 環境全体のセキュリティを継続的に可視化します。 軽量な設計により、クラウドネイティブ環境でも高パフォーマンスを維持し、セキュリティと運用性を両立します。

経営層へCDRの価値を提言

CDRへの投資は、単なる技術強化ではなく、事業継続性の確保に直結します。
経営層が注目すべきは「どれだけ早く攻撃を止められるか」。CDRは、リアルタイム防御により被害を未然に防ぎ、 リスクマネジメント・コンプライアンス・ガバナンスの観点からも高い投資効果を発揮します。

まとめ:静的対策から動的防御へ

クラウド環境を守る最後の砦は、実行時の防御です。
CDRは、静的な構成監査を超え、攻撃を成立させないリアルタイム防御の要となります。Falco Rules by SysdigとAI解析を組み合わせた保護から予防まで、Sysdigはクラウドのライフサイクル全体を守ります。

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