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2026年に向けたクラウドセキュリティのベストプラクティス13選

進化し続ける脅威や脆弱性からデータとアプリケーションを守ることは、依然として組織にとって大きな課題です。セキュリティギャップを解消し、脅威アクターから保護するために、これらのクラウドセキュリティのベストプラクティスを実践しましょう。

Table of contents
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現代の脅威からクラウドを守る方法

多くの企業は、従業員や外部パートナーがアプリケーションやデータにアクセスできるようにするため、少なくとも一部のワークロードをクラウドへ移行し続けています。

テックマーケティング企業Foundryの調査によると、2025年には70%の企業がクラウド移行を加速しており、2024年の63%から増加しています。また、61%の企業がクラウドへの支出を約15%増加させる予定です。

クラウドへの移行により、従来のセキュリティ戦略がそのまま適用できないケースも多く、企業はサイバーセキュリティの考え方を見直す必要があります。

クラウド上のデータ、アプリケーション、システムを安全に保つためには、適切なクラウドセキュリティツール、技術、プロセスの導入が不可欠です。

以下のベストプラクティスを活用し、クラウド環境と資産の保護に役立ててください。

1. クラウドの共有責任モデルを理解する

まず最初に、自社がクラウドセキュリティにおいてどの範囲を担うのかを明確にする必要があります。クラウドの共有責任モデルは、クラウドサービスプロバイダー(CSP)が提供するセキュリティと、企業側が対応すべき領域を定義しています。

CSPごとに提供範囲には多少の違いがありますが、一般的にはCSPがクラウド環境そのものを監視・保護し、顧客はクラウド上の資産やデータの保護を担います。

また、採用するクラウド形態によって責任範囲も変わります。IaaSではインフラはCSPが保護し、ユーザーやアプリケーション、ネットワーク、ワークロード、データのセキュリティは顧客が担当します。PaaSではプラットフォームはCSPが保護し、それ以外を顧客が管理します。SaaSではアプリケーションはCSPが保護し、ユーザーやネットワーク、エンドポイントのセキュリティは顧客の責任となります。

こうした責任範囲を正しく理解することで、自社に最適なクラウドセキュリティ戦略を策定し、必要なツールの導入を進めることができます。

2. ゼロトラストアプローチを採用する

「決して信頼せず、常に検証する」は、すべての企業が掲げるべき原則です。ゼロトラストは単一のツールではなく、資産やデータへのアクセスを管理するためのアプローチです。

この考え方は、ネットワーク内外を問わず、すべてのアクセス要求に適用されます。リモートワークや第三者によるアクセスが一般的となった現在、ネットワーク防御だけでは重要なデータやクラウドワークロードを守ることはできません。

ゼロトラストを導入することで、不正アクセスや侵入後の横展開のリスクを最小限に抑えることが可能になります。アクセスを許可する前にユーザーや非人間アイデンティティの検証を必須とし、機密性の高いデータには追加の認証を求めるポリシーを構築しましょう。

また、認証情報、アクセス元の場所、エンドポイント情報など、アクセス要求に関する情報をできる限り収集し、アクセス主体が正当であることを確実に確認することが重要です。

3. ネットワークセキュリティを強化する

強化されたネットワークセキュリティ対策によって境界を保護することで、マルウェア、DoS/DDoS攻撃、SQLインジェクションといった一般的なサイバー攻撃を防ぐことができます。

ネットワークセキュリティには、ファイアウォール、VPN、侵入検知システム(IDS)、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)など、さまざまなツールがあります。これらを組み合わせて導入することで、多層防御(Defense in Depth)を実現し、万が一一部の防御が突破されても攻撃の拡大を防ぐことが可能です。

さらに、初期防御を突破された場合でも被害を最小限に抑えるために、ネットワークセグメンテーションやマイクロセグメンテーションを活用し、攻撃者の横展開を制限することが重要です。

マイクロセグメンテーションでは、静的ルールやファイアウォール、ルーター、スイッチを用いてクラウド環境を小さなゾーンに分割します。これにより、仮に侵入が発生しても、ネットワーク全体へのアクセスを防ぐことができます。

4. 強固なアイデンティティおよびアクセス管理を実装する

強力なアイデンティティおよびアクセス管理(IAM)は、データを保護し、ゼロトラストの原則に基づいてアクセスを制御する上で不可欠です。誰が、何にアクセスできるのかを適切に制限することが重要となります。

クラウドにおけるIAMの主なベストプラクティスは次のとおりです。

  • 多要素認証(MFA)の導入:すべてのアカウントに追加の認証要素を求めることで、データの安全性を高めます。
  • 最小権限の原則の適用:各アカウントに必要最小限の権限のみを付与します。
  • サービスアカウントの管理と制限:管理者権限や特権アカウントを最小限に抑えます。
  • 定期的なアカウント監査:アカウントや権限を定期的に見直し、適切な状態を維持します。

クラウド環境が複雑になるほど、クラウド権限管理(CIEM)のようなクラウドネイティブツールの活用が重要になります。

CIEMは従来のIAMツールよりも高度な可視性を提供し、不要なアカウントや過剰な権限、リスクの高いアイデンティティを特定することで、クラウド環境のリスク低減を支援します。

5. セキュアな開発プラクティスを導入する

セキュリティは組織のあらゆる活動に組み込まれるべきであり、ソフトウェア開発も例外ではありません。これは「シフトレフト」と呼ばれ、開発初期からリリースまでセキュリティを統合する考え方です。

CI/CDパイプラインを保護する最も効果的な方法は、セキュアソフトウェア開発ライフサイクル(SSDLC)を実践することです。SSDLCは以下の6つのフェーズで構成されます。

  1. 計画:セキュリティリスクを特定し、シークレット管理や暗号化、アクセス制御などの対策を計画します。
  2. 設計:安全なアーキテクチャを設計し、攻撃経路を特定。セキュアコーディングや認証・認可を組み込みます。
  3. 開発:セキュアコーディング基準に従い開発し、継続的に脆弱性を検出・修正します。
  4. テスト:自動テストや脆弱性スキャン、手動レビューでセキュリティを検証します。
  5. デプロイ:本番環境へのリリース前に、すべての脆弱性が解消されていることを確認します。
  6. 運用・保守:継続的に監視し、新たな脆弱性に対応します。

6. クラウドワークロードを保護する

クラウドのスケール拡張では、コンテナや仮想マシン(VM)、CaaS、サーバーレスなどの短命(エフェメラル)なワークロードが活用されます。

しかし、これらのワークロードは頻繁に生成・削除されるため、可視性の低下やデータ露出といったリスクが生じやすく、セキュリティ上の課題となります。

コンテナおよびクラウドワークロードのセキュリティを強化するには、以下の対策が有効です。

7. 継続的な脅威検知と対応を実施する

クラウドワークロードやデータを保護するためには、継続的に監視・検知し、迅速に対応できるクラウドセキュリティツールの導入が不可欠です。

脅威検知・対応(TDR)ツールは、異常なネットワーク挙動(不審なトラフィックや権限昇格の試みなど)を検知・分析します。その上で、アクセスの遮断やセキュリティチームへのアラート通知など、自動または手動による対応を実行できます。

また、MITRE ATT&CKフレームワークを活用することで、脅威検知や対応に関するプロセスやポリシーを体系的に整備できます。攻撃者の戦術・手法・手順(TTPs)を理解し、適切な対策を講じることが可能になります。

さらに、TDRの機能や監視・ログ・データを定期的に見直し、潜在的なセキュリティギャップを特定・改善することで、組織全体のセキュリティ態勢を強化できます。

8. インシデント対応のためのクラウドセキュリティプレイブックを作成する

さまざまなインシデントに適切に対応するためには、あらかじめ対応手順を明確にしておくことが重要です。これにより、事業継続性(レジリエンス)を高めることができます。

そのためには、一般的なインシデント対応、データ侵害、事業継続、災害復旧などに対応したプレイブックを作成しましょう。

インシデント対応プレイブックは、対応を標準化し、各メンバーの役割や責任を明確にします。また、事業継続や復旧に必要なプロセス、手順、ポリシーを分かりやすく定義する必要があります。

プレイブックには、以下の内容を含めます。

  • リスクや問題の特定方法
  • リスクやインシデントの軽減・対処方法
  • 社内外へのコミュニケーション手順
  • 通常業務の再開手順

プレイブックを作成した後は、実際のインシデントを想定した訓練を実施し、従業員が対応手順を理解している状態を維持することが重要です。事前に流れを把握しておくことで、緊急時の混乱を防ぐことができます。

さらに、インシデント発生後にはプレイブックの有効性を検証し、必要に応じて改善を行うことで、次回以降の対応をよりスムーズにします。

9. データを安全に保護し、暗号化を徹底する

Unsurprisingly, data security is an integral part of security, especially as organizations migrate to the cloud and allow for remote access. Preventing unauthorized access to data is integral to keep the organization from reputational and business harm.

データセキュリティは、特にクラウド移行やリモートアクセスの普及に伴い、ますます重要な要素となっています。不正アクセスを防ぐことは、企業の信頼やビジネスへの影響を最小限に抑えるために不可欠です。

まず、組織はデータ分類を実施し、取り扱うデータの種類や機密性に応じて適切な保護とアクセス制御を行う必要があります。データ分類ポリシーにより、データをその重要度に応じて整理できます。

次に、保存時(at rest)、使用時(in use)、通信時(in transit)のすべてのデータに対して暗号化を適用しましょう。強力な暗号化を導入することで、現在および将来にわたる不正アクセスを防ぐことができます。

また、使用する暗号アルゴリズムは、ポスト量子コンピューティング(PQC)に対しても安全であることを確認する必要があります。PQCの進展により、現在の一部の暗号方式は将来的に破られる可能性があり、それらで保護されたデータは脆弱になる恐れがあります。

PQC対応の暗号方式へ移行することで、「今収集して後で解読する(harvest now, decrypt later)」といった攻撃リスクを低減できます。

さらに、暗号鍵を安全に管理するために、強固なシークレット管理を実装しましょう。CSPが提供する機能に加え、ハードウェアセキュリティモジュール(HSM)やクラウドネイティブのシークレット管理ツールの活用も検討すべきです。

最後に、定期的なデータバックアップを実施することで、システム障害やランサムウェアなどによるデータの暗号化・流出が発生した場合でも、迅速な復旧が可能となり、ビジネスへの影響と信用低下を最小限に抑えることができます。

10. コンプライアンスとガバナンスを遵守する

各国政府はサイバーセキュリティに関する規制を強化しており、コンプライアンス違反は企業に大きなリスクをもたらします。例えばGDPRでは、違反した場合、全世界売上高の最大4%に相当する罰金が科される可能性があります。

そのため、自社に適用される規制を正しく理解し、どのように対応すべきかを明確にすることが重要です。たとえば、GDPRは個人識別情報(PII)の保護、SOC 2はサービスプロバイダーにおける顧客データの保護、HIPAAは医療データの保護に関する規制です。

コンプライアンスを確実に実現するには、具体的なセキュリティ対策や戦略を各規制要件に明確に紐づける必要があります。例えば、米国証券取引委員会(SEC)は上場企業に対しセキュリティインシデントの開示を義務付けており、EUのDORAはリスク管理やサイバーレジリエンスの対応方法を規定しています。

さらに、自動化機能を備えたコンプライアンス監査ツールを活用することで、継続的な遵守状況の確認やギャップの特定が容易になり、罰則につながるリスクを未然に防ぐことができます。

11. パッチ管理と脆弱性管理を実施する

クラウドツールや環境における定期的なパッチ管理と脆弱性管理は、攻撃者に悪用されるリスクのある期間を最小限に抑える上で重要です。

攻撃者は脆弱性や未適用のパッチを狙うため、迅速かつ継続的な対応が求められます。一方で、パッチ適用によるダウンタイムを懸念して更新が遅れるケースもあるため、その影響を最小限に抑える工夫が必要です。

パッチは本番環境に適用する前に隔離環境でテストし、計画的かつ定期的なスケジュールで展開することが推奨されます。

また、脆弱性に対応するためには、継続的にスキャンを行う脆弱性管理プログラムの導入が重要です。ただし、すべての脆弱性を一律に修正するのではなく、自社に影響の大きいものから優先的に対応することが求められます。

一部の脆弱性管理ツールは、各脆弱性に対する文脈情報やリスクスコアを提供し、優先順位付けを支援します。本番環境に影響するものは優先的に対処し、開発環境に限定されるものは後回しにするなど、リスクに応じた対応が可能になります。

12. 設定ミスを修正する

パッチ管理や脆弱性管理とあわせて、システムやアプリケーションの設定ミスを継続的に監視することが重要です。例えば、S3バケットの誤った公開設定、不要なポートの開放、不適切なアクセス制御などが該当します。

設定ミスは依然として主要な攻撃経路の一つであり、攻撃者に悪用されやすいポイントです。そのため、CNAPP(クラウドネイティブアプリケーション保護プラットフォーム)やCSPM(クラウドセキュリティポスチャ管理)といったツールを活用し、設定不備を継続的に検出・是正することが求められます。これらのツールは、文脈やリスクに基づいて優先順位を付けた対応を可能にします。

設定ミスと脆弱性の両方に対処することで、組織のセキュリティ態勢を強化し、一般的なサイバー攻撃を未然に防ぐことができます。

13. セキュリティ文化を醸成する

最後に、組織全体でセキュリティに関するプロセスやポリシー、ベストプラクティスへの理解を深め、従業員への教育を徹底することが重要です。定期的にセキュリティトレーニングを見直し、従業員が自身と組織を守るための行動を理解できるようにしましょう。

サイバーセキュリティ教育は、弱いパスワードの使用や端末の放置といったリスクの高い行動を減らすのに役立ちます。また、フィッシングメールやその他の脅威を見分けるスキルの習得にもつながります。

さらに、職場でのリマインドの掲示や理解度テストの実施、手順をシンプルに保つことも、セキュリティ意識の向上に効果的です。

加えて、従業員一人ひとりに責任と当事者意識を持たせ、自身の役割と、セキュリティ手順を遵守しなかった場合の影響を理解させることが重要です。

Sysdig CNAPPでクラウドを保護する

クラウドセキュリティの実現には、従来の境界防御を超え、機密データや重要なワークロードを継続的に保護する取り組みが不可欠です。CNAPPは、データのサイロ化や可視性のギャップといった課題を解消し、クラウド全体にわたる包括的なセキュリティを提供します。

Sysdig CNAPPを導入することで、リアルタイムでクラウドのスピードに対応する統合型セキュリティを実現できます。データ侵害が発生する前に脅威や弱点、脆弱性を特定し、エージェンティックAIにより攻撃者よりも迅速に対応可能です。

SysdigのCNAPPは、CSPMCIEMCWPP脆弱性管理を統合し、クラウド環境に必要なセキュリティ機能を包括的に提供します。

エージェント型クラウドセキュリティを正しい方法で実装する

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